NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

ニューヨーク物語

「Mie Art & Talk ・NY」Column1

MIE: A Portrait by 35 Artist (Mie・ポートレート展) 岩月美江

ニューヨークは永遠に回り続ける回転木馬と言った人がいる。
どこがスタートで,どこが終点があるのか分からないからだ。
多くの人達が回り続ける回転木馬に跨り見えないゴールに向かって走り続ける。
誰でもがスポットライトに照らされても不思議でない世界が広がっている。
ここに集まる多くの人たちが希望と成功を求め、誰しもがニューヨーク木馬に乗る。

ここから、残酷で過酷なニューヨーク、華麗なニューヨーク物語を生み続けていく。

 

「NagasawaMagazine」第一回を飾る「ニューヨーク物語」のゲストは岩月美江。

彼女の本職はモデル、キュレーター。ニューヨーク生活も14年近くになる。
ニューヨークの 世界は、求める。求められる。通用できる。必要とされる。

そうした人が、いかに多いかによって国の文化価値が決まっていくことは確かだ。
現在、 世界で活躍している日本女性は数多い。

ニューヨークには、きらりと光る優れた日本の女性たちの姿がある。

しかし、何故かあまり紹介されていないのが現実だ。実に残念。


 今回、nagasawamagazineで紹介する岩月美江さん"MIE"はニューヨーク大学を卒業、

美術関係の仕事を探りながら世界の美術館で勉強をし、ニューヨークに戻り現在の仕事であるキュレターに就いた。
 そして、ニューヨークでは独自の感性を生かした企画で多くの仕事をこなしてきている。また、モデルとしてネットワークを広げていった。

そして、世界のポートレートの巨匠・ベインター・アレックス・カッツとの出会いで、世界のMieにたどりついていく。

(岩月美江さんのURLはhttp://www.cocoanewyork.comをご覧ください。)

「Mie・ポートレート展」 岩月美江 MIE:A Portrait by 35 Artists ―MIE:35人のアーティストによるポートレート 「人・出会い」

新たに確立した3角関係、アーティストと鑑賞者、そしてモデルとのコラボレーションは新しい試みだ。2012年1月27日発売の「よみタイム誌」"VOL174"「人・出会い」でレポートした塩田真実さんがインタビューしている。その掲載内容を読んでいただければ、MIEのニューヨークが分かる。

チェルシーにある「フレイト+ボリューム・ギャラリー」で、2012年1月21日(土)から2月25日(土)まで、ユニークな展覧会「MIEポートレート」展が開かれた。

 この展覧会は35人の世界中から集まった巨匠や新進気鋭のアーティストたちが、それぞれバラエティーに富んだ表現手法で、共通のモデルを対象にポートレートを制作するという画期的な試みだ。35人のアーティストのモデルを務めた「MIE」(岩月美江さん)は、モデルとしての「第三の観点」から、フルカラーの展覧会カタログに、それぞれのアーティストとのポートレート・セッションでの体験を「モデルの声」として緻密な文章で記述している。
 参加アーティストは、岩月美江が2005年からモデルを務めている、巨匠アレックス・カッツ(Alex Katz)を始め、写真家のロバート・フランク(Robert Frank)と妻で著名女性作家のジューン・リーフ(June Leaf)、ポール・ミラー(aka DJスプーキー)、日本人作家3人、平川典俊(写真)、三宅一樹(彫刻)、久野ギル(ビデオ/サウンド)、中国から参加の3人の著名作家、さらにニューヨークで活躍中の気鋭の若手が多数参加している。

どうユニークか、展覧会のコンセプトについて、実際に共同キュレーターの一人で、展示される全作品のモデルを務めたMIEこと岩月美江さんに話を聞いた。
 企画が持ち上がったのは1年前。美江さんがある企画展を終え、アーティストやキュレーター、ギャラリー関係者たちと会食していた時のこと。同席していたギャリストで同じキュレーターのニック・ローレンス氏から声がかかった。
 「美江がキューレーションの仕事とは別に、画家のアレックス・カッツや写真家のロバート・フランクのモデルを長年務めているということは知っているよ。どうだろう、彼ら巨匠も含め、気鋭の若手アーティストも入れて総勢35人くらいが別々のアプローチで同じモデル、つまりMieを描くっていう展覧会をやらないか?」

 美江さんは即座に「面白い」と感じた。同時に「でも私はあくまでもキュレーター。企画にはテーマが必要だし、単純に35名のアーティストのモデルを務めるだけではなく、アートヒストリーにとっても意味ある企画にしたい。さらにみんなで東日本大震災に貢献したい」と考えた。

ポートレート=肖像画、「人が人を描く」という表現方法の歴史は古い。が、どの時代にあってもポートレートは、アーティストによって描かれた作品=人物像を介して、鑑賞する者とアーティストとの直線関係だけで成り立ってきた。
 そこに『第三の声』=モデルの声を入れてはどうかと美江さんはひらめく。作品と鑑賞者」という伝統的な2者間対話の形に、モデルからの第三の声を追加することで、作品ストーリーに鑑賞者をより深くエンゲージさせることができるのではないか。「アーティスト+モデル+鑑賞者」、3者間の対話が成り立てば、鑑賞者の心理に何が起こる?かを追求し、従来からあるポートレートの解釈に、新たな問いを投げかけることもできるのではないか、との思いだった。

ポートレートというジャンルで「まったく新しい三角関係」の図式が出来上がった瞬間だった。これまで長年モデルとして縁の合った巨匠たちに加え、アメリカばかりでなく日本や中国のアーティストたちにも声をかけると快い賛同を得た。もっとも現代アート界の多様性を反映して、総勢35人のアーティストたちの表現方法は、ペインティング、スカルプチュア、ビデオ、写真など、実に様々。それぞれのアーティストが同じサブジェクト――MIEを表現する」で一致。丸1年、美江さんはアメリカ国内はもとより、日本、中国、とアーティストたちのスタジオを駆け回った。
 美江さんは言う。「モデルはアーティストの制作プロセスを知る上で、一番近い存在なんです。私の場合、自分もかつてアーティストを目指したこともある上アートヒストリーも勉強してきた。キュレーターとして作家を理解できているので、現場ではアートシンについて話し込んだり時には冗談を交えての会話もはずみ、人間同士の精神的なつながりがそこにあるんです。だから彼らがどういうことを見ようとしているか、何を探しているか、というようなことも私にはインスピレーションのように分かるんですよ」と笑う。「モデルとアーティストという至近距離でのみ得られる作品制作にまつわる逸話、対話などを声として発信することで、ポートレート=肖像画の分野に人間味を取り戻すことが出来る。ヒューマニズム的なロマンティシズムへの回帰を試みるテーマ」であり、「新たな形として定着してくれるといいな」と自信をのぞかせた。

会場ではニック・ローレンス、岩月美江ピーター・フランク、ジョン・ヤウ、そしてアンソニーハーデンガスト執筆によるフルカラー展覧会カタログが販売(25ドル)されている。売り上げの一部は東日本大震災救済基金に寄付される。(塩田 真実)

僕が岩月美江、Mieとはじめて会ったのは8年ほど前、ニューヨーク・ソーホーのホテルラウンジだった。魅力溢れた大人の雰囲気が印象的だった。時間が経つのを忘れてしまうほど人生のこと、仕事のこと、そして他愛ない男と女の話など楽しい初対面だった。
 
Mieの活躍はニューヨークばかりか、ヨーロッパ、アジア、自分の感性に響く素材を求め、活躍の場を広げていった。
 ニューヨークは彼女のホームグラウンドだ。超一流のアーティスト達がMieの周りに集まってくる。

"岩月美江"Mieの香りが本物だからだ。
 

MIEと会うきっかけを作ってくれたのは音楽プロデューサー大橋慶子さんだ。僕の友人である大橋さんは、ニューヨークの音楽業界で著名な人だ。大橋さんのことは10年ほど前の、日本女性ファッション誌「マリ・クレール」"NYキャリアレディのライフスタイル"で紹介している。

いずれ、大橋慶子さんはこのコーナーに登場していただく予定だ。

 

 

 

 

 

(企画構成・永澤 洋児)