NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

ANA ・取締役・国際関係・前田隆平

ANA日本酒選定会に参加して

 「10年ほど前に大好きであった日本酒をやめてウイスキーに切り替えたが、ウイスキーという酒は日本酒と違ってつまらない。日本酒には混じり物があってそれが人を楽しくさせたり、悲しくさせたりする。だから日本酒は面白い。」小説家井伏鱒二が生前NHKの番組で語った言葉である。

今回の選定会で試飲した日本酒の数々は井伏鱒二の言う混じり物がむしろ少ない高級な吟醸酒であったが、既に選りすぐられたものばかりであることもあって、味の方はすべて格別だった。ラウンジ用、ファースト用など用途によって軽快なもの、香りとコクのあるものなど選定の基準があったが、まさに甲乙つけがたいお酒をそのような基準に従って順位付けをすることは極めて困難で、結局は自分の好みだけで点数をつけることになってしまった。

当日は多くの選定委員の方々が真剣に試飲をされていたが、それぞれの方の評価は相当異なっていたのではないかと推測される。それでも多くの方の評価を集約した結果は、最大多数のお客様に評価いただけるように思うし、その意味では、あの選定会のやり方には合理性があるように思った。今は私が勝手に好みで行った評価が少しでも良い選定に貢献できたことを祈るばかりである。

いずれにしても、あれだけの名酒を同時に試せることは私にとって初めてのまた望外の経験であり、感想を求められれば、「楽しかった」の一語に尽きる。

 

                                                     前田 隆平

 

 

企画・nagasawamagazine・編集長