横浜・元町を散策 目黒 正人
ホピ―・トモローランド・カシミヤ カシミヤ・

人生レギュラー(regular)の仕事も終わり、第二の人生を楽しもうとしている、散歩人には20世紀後半の横浜はオシャレな散歩街だったような気がする。
中でも「元町」は、ある種の憧れがあったことは事実だ。
当時の横浜「元町」は東京にない魅力のエリアとして映っていた。
横浜元町のショッピングストリートの始まりは気が遠くなるほど古くはないが、元町の始まりという資料を見ると1869年に横浜開港に関連している。
日本人商業地域と外国人の居住地区を合わせた場所に「横浜元町」が生まれたと、云われている。
開港して多くの外国人が横浜に住みはじめ、外国人が暮らしに必要なものを調達できるようにするために、外国人を対象とした商売を始めたのが「元町」のスタートだとも言われている。
時代に必要と迫られてできた繁華街「元町」ショッピングストリートは文明開化と共に誕生進化していった。
そして、その後、第二次世界大戦が終わり、多くの外国人たちのための「元町」ショッピングストリートとは、その後、横浜の繁栄に貢献していった。
散歩人の青春時代、1970、80年代は、まさに「元町」は異国のファッション・ストリートの頂点だった、外国からの輸入物なら「元町」に行けば絶対ということになっていた。
昭和の青春を謳歌した人たちには特別な響きがあったことは確かだ。
そんな横浜「元町」を久しぶりに歩いてみた。
第三京浜を横浜に向けて車を走らせ、街に入る、久しぶりの横浜へのドライブだ。街は完全に変わった、以前に感じた素朴で田舎じみた街ながら異国情緒を感じたこの街は、新しい息吹が街を包んでいる。
“みなと未来21„“ランドマーク„“横浜大桟橋„“赤れんが倉庫街„などなど、横浜は時代が変えた。
まず、「元町」を覗く、車を路肩に留め歩くことが何よりファッショナブルで、数々アイティムが心を弾ませてくれた思いが深い。
着るもの、付けるもの、履くもの、食べるもの、飲むもの、そして、家具類まで、エキゾチックで目新しくここで自分たちの夢の世界を作り上げていった。
「MOTOMACHI」というガイドマップを広げる。
何十年ぶりの「元町」だ。
マップを広げながら、記憶にあるショップを探す。
歩き始めて感じたことは「元町」は変わっていない
しかし、正直、何かが違う、時代がそう答えているのかも、左右を見ながら、若い時の記憶をこじ開けて足を運ぶ。
馴染めない、街のイメージが沸かない、確かに、華やかさは残っている、いやそれ以上の賑わいを感じる。
“Poppy„ポピイが目に飛び込んできただ
シャツの店として知られている、勿論、洋服屋でもある。
オーダーメイドから、吊るしの服まで、魅力あるアイティムが店内に華麗にディスプレイされていて、選ぶ楽しさで心が弾んだ。
トレンディなワイシャツ店として知られていた。
オーダーメイドで“ワイシャツ”を作る行為は、その極地だった。
その響きは最高の快さだ。
中に入る、古い雰囲気の店内は、それなりの雰囲気を残している。
懐かしい香りが充満している。
ショーケースの後ろに何十年前の“Poppy„店の写真が飾ってある。
店主の織田俊彰さんにお話を伺うことができた。
「オジと、父親がこの店を作り上げてもう60年以上過ぎました、時代も店も、お客様も変わりましたね」確かに、散歩人も感じたことを織田さんも感じていられるのだと。店内の随所に飾られている時代を感じる昔のポピイ―の写真を見ながら、話が盛り上がった。
昔のお客様も来ていられるのですかという問いに「忘れないできいていただいております、すごくうれしいです」と話された。
いろいろと当時を振り返りながらの話は楽しい。
昔からのスタッフに挨拶をして、店を後にした。
やはり“Poppy„だ。
“Tomorrowland„の看板を見つける。
いま、全国的に評判の洗練された男女ファッション・ブランドショップだ。
日本のオリジナルブランドの一つだ。
元町には1985年に生活雑貨、レストラン「GALERIE VIE」として進出し、その後“Tomorrowland„として現在に至っている。
店のマネジャーに聞くと、ファッションショップ“Tomorrowland„として、日本で一番始めの店だそうだ。
店内は明るく、カラフルなスタイルのファッションがディスプレイされ、洗練されている、流石だと感じた。
懐かしい名前の店を見つけた。
“cashmere cashmere„だ。
軽井沢、万平ホテルの近くにある“cashmere cashmere„と同じ系列店、カシミヤ専門店だ。
夏はよく軽井沢に行く、夏はカシミヤがセールで安くなるのでよく覗いていた、東京、広尾にもあるし自由ケ丘にもある。
やはりカシミヤはいい。カシミヤ製品は冬ばかりではなく、夏もカシミヤを着るのもいい。
気持ちよくカシミヤを感じながら、店を後にした。
散歩人が感じたのは、やはり「元町」は「元町」だということだ。
「元町」の癒しを感じながら・・・次号も。
お楽しみください。
散歩人・目黒 正人 2017・4・11