NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

洒落・おやじの青春取材記 1

ごあいさつ

NAGASAWA MAGAZINEの編集長・永澤氏とは、もう15年以上の知り合いである。

NHKを始めテレビや雑誌などのメディアを経験した彼の目には、少し変わった編集者と映ったのだろう。自称ポンコツ青春男が、氏のWEB MAGAZINEの片隅にお邪魔することになったのである。半世紀近い前から現在までの経験した出来事など取材記をお届けしたいと思います。


KEISUKE MATSUSHIMA『ニース』取材

株式会社アクセレール 松島啓介
株式会社アクセレール 松島啓介

初回は、昨年2014年の4月に突然訪れた、南仏のニースの話。僕は海外に出かけるときは、仕事の関係でフランスが多かったので飛行機はエールフランスが殆どで、その為AFからのWEBインフォがメールで届き、従来は成田からの便しかなかったパリ便が昨年3月31日から羽田発が加わりその記念にヨーロッパまでの格安チケットの案内があり、これはチャンスとばかりニースまでの往復をWEBで決めてしまったのだ。そこで突然ニースに行くなら、「そうだ、KEISUKE MATSUSHIMA」に行こう」とテレビの宣伝文句のようであった。松嶋さんと言えばご存知のように、本場フランスで初めてミシュランの星を獲得した日本人最年少28歳のシェフということで、日本のみならずフランスでも大いに話題になったのだ。20歳で渡仏して色々な場所で修業し、25歳でニースに自分の店をオープンさせ、地元ニースのフランス人達に広まり、星獲得迄あっという間の出来事だった。

彼の名声は日本でのホテルやレストランでの招待企画が黙っているはずもなかったから、頻繁にメディアに露出された。フランス人に絶賛された料理に「牛肉のミルフィーユ仕立て」がある。その当時の取材で食した時は、思わず唸ってしまった。え、これがフランス人を仰天させたんだ。確かに美味だった。

彼曰くレシピは至って簡単、牛肉の薄切りの片面に山葵を塗って4枚重ねにして焼いたもの。松嶋さんに聞いたところ、山葵はチューブ入りが好いとのことで、不遜にも家で試しに作ってみたら好評であった。彼の料理は気負いがなく人柄を感じさせる優しさがある。九州福岡で育った時の味覚や生活が身体に流れているのだと思う。

 

出発前に、松嶋さんにメールを入れてレストランに行く旨を伝えると、案の定、相変わらずの忙しさだったが、丁度僕の到着3日にバルセロナから戻って暫くはニースにいるとのことで、翌4日のランチにレストランを尋ねた。それ程大きくない店内はほぼ満席。フランス人の老若男女がワインを片手にお喋りに興じていた。

*info: 松嶋シェフの「牛肉のミルフィーユ」のレシピは、「松嶋啓介の家でもおいしいフレンチ」(講談社)に出ています

レモンのソルベと白いチーズをあしらった苺のスープ

レモンのソルベと白いチーズをあしらった苺のスープ
レモンのソルベと白いチーズをあしらった苺のスープ

松嶋シェフは、キッチンで既にゲストの注文を作っている真最中で、僕はテーブルに置かれたメニューに目を通しながら暫く待っていると、東京で会ってから7年ぶりのニコニコ顔を見せた。テーブルに座ってお互いの近況を話した後、ランチメニューの説明を聞いて彼お勧めの料理を作りに早速キッチンに消えた。アントレにアーティショーのリゾット、次にイタリアのウンブリアの名前の松の実のクリームが絶品の野菜料理、デザートはレモンのソルベと白いチーズをあしらった苺のスープ。この苺のデザートは是非にと言われただけあってこの締ですっかり幸せな気分になった。本当に優しい味だった。このランチが終わった後直ぐに、松嶋シェフは、明日からの別の料理の為の食材を買出しに、ここコートダジュールのニースから西へ、プロヴァンス地方の有名な港町マルセイユ迄車を飛ばして行くという忙しさであった。

*info: コートダジュールの宿泊は、観光客の多いニースとカンヌの間にある港町「アンチーブ」がお勧め。ニース空港からカンヌ行きのバスで約1時間、電車でニース駅からでもカンヌ駅からでも約30分、バスもあり連泊しながらコートダジュールを楽しめる

キッチンを覗いて、若い日本人とフランス人のアプロンティ(弟子)にひと言声をかけ、松嶋さんの車を見送ってからニース駅まで歩き、コートダジュール沿いを走る電車でカンヌ方面に乗り、アンチーブのホテルに帰った。美味しいランチを食べたので、夕食は、ホテル近くのスーパーマーケットのカルフールでバケットやソーセージ、チーズ、果物飲み物などを朝食の分まで買い込んで、部屋でTVを見ながら食べたのであった。海外取材の時は、食事のアポイントがない限りは時間と経済的な理由でいつもこうであった。

KEISUKE MASTUSHIMA: http://www.restaurant-i.jp/index.html

編集長

時代の最先端をリードしていくファッション誌の名編集長としてご活躍されていただけに、知識は豊富、博学です。特にフランスは彼の得意とするところ、これからNagasawa magazine 誌上にエレガントなテーマが躍ることを期待しております。