NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

気になるファッション ・3

花井 幸子

洒落おやじ・工藤毅志

Yukiko Hanaiの進化・1992年・9月号・雑誌ラ・セーヌ

雑誌・ラ・セーヌ・1992年・9月号


花井幸子さんのコレクションを初めて見たのは1980年代半ばからだったが、僕が「ラセーヌ」という女性誌の編集長に1989年就任して直ぐ、その時代では30代の女性を対象にした女性誌の草分けとして注目されたこともあって、花井幸子さんのファッション特集を企画することになった。幸子さんはファッショングループ会長でもあって、多忙な日々を送っていたのだが、撮影の打ち合わせも兼ねてデザイナーインタビューに当時の六本木オフィスに出向いた。

当然ながらご自分の服に身を包み、それが、幸子さんの明るく幸せな生きざまと生活そのものを物語っているようだった。花柄に特徴のある幸子さんのルーツは何処なのだろうか? 彼女のインタビューから見えて来るものが僕なりにはあった。幸子さんの出身は、自然豊かな東京の青梅市。小さい時から絵を描くことが大好きな少女で、しかも綺麗で可愛いものを描いていたという。

彼女は、既に長沢節さんが主催する「セツモードセミナーの初期の門下生として卒業後、1964年独立して念願のアトリエを開いて、4,5年後には銀座に、マダム花井のオートクチュールのブティックを開いて、ファッション界に素晴らしいデビューを果たした。その熱意とその行動力は、それ以来絶えることなく続いている。1年に2回の春夏、秋冬のコレクション終了後は、いつもニコニコ顔で、雑誌などメディアの編集者の感想や印象などに耳を傾けている様を見ていると、その時は直ぐに次回の絵を頭の中に描いていたのだろうと想像できた。

雑誌・ラ・セーヌ・9月号で展開されている・Yukiko・Hanai・の華麗なファッション・


最終的に、ラセーヌのYukiko Hanaiの特集企画は、幸子さんのイメージを具現化する場所として、撮影はファッションの本場、パリでということになり、当時のプレス担当と一緒に段ボール3個の特大荷物と共にパリのロケに旅立った。ドレスや宝飾品のみならず、生活の美を表現することから、テーブルウエアから食器、寝具小物まで、宿泊したホテルを部屋に見立てて、室内と屋外をモデルと共に撮影をしながら生活の種々の断面を表現した。帰国してからの写真選びは、幸子さんも交えての編集会議のようで愉しいひと時でもあった。

ほぼ半世紀近くを幸子さんが表現してきた、「年齢やキャリアを重ねるほど、魅力を膨らませていく女性の幸服と呼ばれる大人服」が次世代へ引き継がれていくために、1977年からその服作りに携わってきたデザイナーの青木希素江さんがディレクターとしてこの秋冬から采配を揮っている。この秋冬のテーマは、Magical Forest(おまじないの森)、Yukiko Hanaiの持ち味の色遣いやテイストが、更に瑞々しく表現されているのは、本当に嬉しいことである。


2015年・斬新で華麗な・Yukiko Hanai・のファッション


この進化に今後も期待したいと、秋冬のコレクションを見て感じたのです。この記事がUPする頃、2016年の春夏のコレクションが始まるので、楽しみだ。

ファッションデザイナー花井幸子

銀座ブティック

www.yukikohanai.jp

洒落おやじ・工藤 毅志(2015829日)