NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

ワインバトラー・ニールのライフワーク Part 46

ステージ 4

昨年の11月の上旬に、父親から連絡があり、11月25日に病院から呼ばれたので一緒に来てほしいと連絡がありました。9月にかかり付けの病院に行ったところ定期の検査以外で、少し胸が苦しいと言ったので胸部レントゲンを撮ったら、どうも肺に水が溜まっている。少し様子を見ようと10月、11月と連続でレントゲンを撮ったが肺に水が溜まっていることは分かるがもしかしたら、癌の可能性もあると言われたので総合病院を紹介されたので、そこでレントゲンを撮った結果、やはり、癌の疑いがあるから親族を呼んでほしいと言われたというのです。私には弟がいますので、3人で(母はもうすでに亡くなっていますから)病院へ行きました。普通ならMRIなどをとってからだと思うのですが、どうもレントゲンで分かるくらいの結果だったのでしょう。かなり癌が進行しているというような対応でした。というのは検査を正確に行わないと分かりませんが医師はこれからの対処は家族の同意のもとに、治療を進めていく方針がアリアリと分かりました。どういうことかというと、今、こういう状況だからこうした方がいいですよとは決して言わない。選択肢をいくつか挙げて選ばせる。聞かないことには答えないと言う姿勢は崩さないのは、患者と医者とのトラブルを避けるためだとういことが良くわかります。

さて、12月16日にMRIの結果を元に再びどの様に対処してゆくのか話に行きましたが、癌は肺のみならず他の場所にも転移しており、年齢が84歳と高齢なため、放射線治療も切除も出来ず投薬のみで終わりですが、この総合病院でも、もう対処が不可能なため近所のお医者様で薬を処方してもらってくださいと言われました。まぁ、何とも言えない気持ちにはなりましたが、父親が席を外した時に、弟が、「先生の見立てではステージいくつですか?」と聞きましたら「4のB」と言われました。およそ覚悟はしていましたが、「後、どれくらいですか?」と聞きましたら、「2~3か月」と言われましたので、「わかりました」と言って病院を後にしました。

父親は「俺のうちの家系には癌で亡くなったものはいないんだが・・・」としきりに言っていましたので、私は父親に、「今ではペットも癌になる時代だからね!誰がなってもおかしくないよ!」とだけいいましたら「そうか~、そうだよな!」と言って黙っていました。心なし父親が一回り小さくなった感じがしました。

私の父親は大人しい性格で人の面倒見も良い方で、戦中は疎開した経験もありますが、その後、昭和の高度経済成長の時代をサラリーマンとして勤めあげてきました。しかしながら良いところもあれば、欠点もあるのは事実で、子供の頃から、ガキ大将で、社会人になるまでは色々、やんちゃぶりを発揮していたようです。社会人になってからは出張も多く、月の半分は家にいませんでした。そこで覚えたのが賭けマージャン、ゴルフや競馬、競輪等の賭け事に夢中だったようです。家族にも迷惑をずいぶんかけて来ましたが、人柄が良い、基本姿勢は変わらないので、なんか憎めない人間だった様に思いますし、兄弟や親族が助け舟を出して乗り切ってしまうハラハラものの波乱万丈の生活を60歳の定年までやっていました。

あるときに仙人が教えてくれました。そのような賭け事を好むような父親を持つのも、あなたの父親が悪いのではなく、あなたの前世のしたことが元になって、父親が反面教師となってあなたの前世の、わるいところを見せてくれているのであるから、あなたが元々の原因なのですよ!と。確かに、私がこの父親の子供になって生まれてきたことのは訳がある。訳、理由がなければこの父親の子供にはなりません。選べるのであるならばお金持ちの父親、セレブのような父親から生まれたかった(笑)。でも実際は選べない訳でそれは皆さんのご家族を考えれば同じかと思います。さらに、何故、父親が改心できず継続してかけ事をやるのかというと、実は、父親と夫婦になった母親に原因もあります。母親は、いつも帰って来ない父親に仕事だから仕方ないと思いつつも、心のなかで、「あんな親父は父親じゃない、体が動かなくなったらいつか蹴り飛ばしてやる!」と言っていましたし、しょっちゅう喧嘩まがいの口論をしていました。しかし子供ながら観察していると面白いもので、父親の方はどちらかというと何を言われても平然としていましたが、熱くなっているのは母親の方でした。

     お医者様の説明は患者、親戚の移行が大事

仙人は又教えてくれました、奥さんが家の中でカッカして勝気な言い方や態度をとっていると、外で、その夫さんは勝気な事を自然とやるようになるんだよと。つまり「勝たないかなぁ!勝たないかなぁ!」と思いながらやる賭け事に手を出していくのだよ!とも教えてくれました。確かに合っています。私の母親のいつも使う言葉に、「じゃぁ!賭けようか?」というセルフがあります。「このあいだ、テレビで〇〇さんが確かこんなこと言っていたよ!」と私が言うと、「そんなことはない、じゃぁ、賭けようか?」というような感じでいつも勝気でこの言葉を使っていました。そんな母親に限って体も丈夫ではなく、専業主婦でいつも家にいるのに、調子が悪くて寝てばかりの母親であるのにも関わらず、エバっていました。皆さんのご家庭ではこんなことはないでしょうが・・・。

戻って、60歳で定年後は落ち着いた父親ですが、癌になるとは心から思っていなかったようですが、癌になるにも理由があります。奥さんが家で勝気なら、旦那さんが外で勝気な賭け事をするがごとく。でもこれには深い訳があるので綴れません。前々回では数字の世界を紹介しましたが、世の中は音(おん)や言葉(ことだま)の世界でもあるというのは、いつかお話したいと思いますが、それにも関係があります。

癌は、「ガン」ですが、「鴈」という鳥はわざわざ寒いところ寒いところ飛び渡りますね。「ガン」というんのは「頑固のガン」とも通じます。これだけしか今は言えません。又前述した賭け事は、勝つつもり勝ちたい気持ちでやるので「勝たないかなぁ! 勝たないかなぁ!」と思ってやる訳ですから、「かたない=形ない」つまり家とか財産とか形あるものがドンドン無くなるようなことが起きてきます。もちろん限度を超えればのお話ですが。そしてついには、人間としての形、つまり姿形が無くなるという事は死ぬことにも通じてしまいますし、形が満足でない様なことが沢山起きてきます。想像にお任せ致しますが。

父は加齢により、癌細胞からくる痛みは今は無いようですが、せめて、痛みだけは余り感じることなく見守ってあげたいとは思っています。

皆さんがこの原稿を読む頃が時期かもしれません。「オリンピックは観たいなぁ~」と寂しそうに呟いた父の言葉が今後も心に残るかも知れません。今生の別れは着実に近づいています。

今回はかなり個人的なことを綴りましたがお許しください。

 

byニール