日本酒道楽 52回
酒の神のおひざ元 酒好 一男

こんにちは、酒好一男です。
みなさんは酒の神さまがどこにいるかご存知でしょうか?
酒の神「高橋活日命(たかはしいくひのみこと)」が祀られている摂社、活日(いくひ)神社を擁する奈良県の大神(おおみわ)神社(写真)なのです。酒蔵でおなじみの杉玉はこの大神神社で一手に作られて全国各地の酒蔵に送られます。
大神神社は本殿を持たず、三輪山をご神体として祀っています。山をご神体とする神社自体が相当古い歴史を持っています。大神神社の近くには卑弥呼の墓とも言われている「箸墓古墳」があり、この地の歴史の古さを感じさせます。

三輪山は「三諸山(みむろやま)」と呼ばれ、「みむろ」は「実醪(酒のもと)」ということで、酒の神様としての信仰からの呼び名であるとも言われています。今回紹介する日本酒は、まさにその名を冠した「みむろ杉」です。
三輪山の伏流水を使い、奈良県の酒米「露葉風」で醸した辛口の特別純米酒。重さはなく、とても軽口のすっきりしたお酒です。
こちらは同じ露葉風を使った純米吟醸です。無濾過生原酒の中汲みなので、旨口な感じです。
このみむろ杉を醸す今西酒造はまさに大神神社のすぐ近くにあり、ガイドツアーもやっています。また、近くには有名な三輪そうめんの店もありますので、ぜひ観光で訪れて、そうめんを食べながら美味しい日本酒を味わいたいものです。
日本酒発祥の地とも言われる奈良県ですが、「風の森」やこの「みむろ杉」など、地元にこだわりながら新しい試みを続けている蔵があります。日本酒ブームを続けていくためにも、がんばってもらいたいですね。
私も微力ながら応援しています。
酒好一男でした。