NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

編集長 永澤洋児
深江賢に聞く~回顧録スペシャル~
洒落おやじの青春取材記 工藤
特集記事 ANA

2015年4月号

日本酒道楽・24 酒好一男

福島県の絆

こんにちは、酒好一男です。

「飛露喜」、「写楽」、「ロ万」、「廣戸川」、「一歩己」ときたら、このコラムを読んでくださっている方ならピンとくると思います。そう、福島のお酒です。


連載第16回で、秋田県内の酒蔵が協力したNEXT5や、25の蔵が秋田県産酵母による日本酒を醸した企画を紹介しました。本来であれば、なかなか醸造の秘密を教えないライバル同士が協力し合って日本酒を盛り上げようという試みです。

そんな秋田県と同じように、福島県では「飛露喜」を醸す廣木酒造をおとうさんとすると、「写楽」の宮泉銘醸、「ロ万」の花泉酒造を長兄、「廣戸川」、「一歩己」が末っ子的なイメージで情報交換をしているそうです。

9年連続で鑑評会金賞受賞「東豊国」

なかでも「一歩己」を醸す豊国酒造は県南の石川町にあり、地元では「東豊国」という銘柄を醸しています。福島県には豊国酒造がなぜか2社あり、ひとつはこの「東豊国」、もうひとつは会津にあって、「豊国」という銘柄と醸しています。

福島県は浜通り、会津、中通りと奥羽山脈と阿武隈高地によって分けられているので、以前は他の地域に酒を卸すことがなかったことが原因だそうで、血縁もないそうです。


その「東豊国」と「一歩己」を率いているのは若干29歳の矢内賢正専務。早稲田大学政経学部を卒業した後、豊国酒造に戻り、名人と謳われた簗田博明杜氏に師事。


高齢のため簗田杜氏が引退してからは矢内専務が指揮を執り、今年も鑑評会の金賞を獲得しました。


「一歩己」は矢内専務が卒業後に蔵に戻った翌年から仕込みはじめ、「主張しすぎない酒」を目指しています。使用米も福島県石川町産の美山錦のみ。これから他の米にもチャレンジしていきたいそうですが、今はオール福島で頑張っていくそうです。

その評判はどんどん広がっていき、連載第11回でもお伝えしたように、ANAの機内搭載の日本酒候補にも選ばれました。なかなか見る機会もないかもしれませんが、ぜひ試していただきたい銘柄です。

一歩己ラインナップ

純米うすにごり
純米うすにごり
無濾過純米生原酒
無濾過純米生原酒
純米原酒
純米原酒

うすにごりはラベルの色が違いますが、他の2種は春の息吹を感じさせるうぐいす色。

「一歩己グリーン」と名付けたいですね。

また、それぞれのラベルには、若き杜氏の思いが記されています。

この一文から、その銘柄にかけた想いをくみ取っていただきたいと思います。

ではまた、酒好一男でした。

2015年・7月3日

酒好 一男

編集長・談・20157

 「酒好さんはお酒を、こよなく愛しているのですね、お酒に対する優しさが感じられます、これからの季節は冷たいお酒が人気ではないかと僕は思いますが、多分、酒好さんは暑いムシムシしている時こそ、燗で温めて飲むことを進めるでしょうね、また飲みましょう」