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2015年4月号

日本酒道楽・23 酒好一男

酒米 愛山

こんにちは、酒好一男です。


突然ですが、今もっとも話題の酒米はなんでしょうか?

山田錦、雄町、亀の尾、美郷錦、五百万石……など、数ある酒米のなかで「愛山」という銘柄が注目されています。

「愛山」の歴史

 1941年、兵庫県立明石農業改良実験所で「愛船」と「山雄」という酒米を交配してつくられた「愛山」。戦前からと意外に歴史がありますが、栽培が難しいといわれる山田錦と比べても粒が大きく、背が高いため、より栽培が難しい銘柄なために、一時農業実験所でも試験が中止されるということもあったほどです。その後、兵庫県の一部の農家と契約した「剣菱酒造」がひっそりと栽培を継続、当然ですが独占的に愛山を使用した日本酒を醸してきた関係で、他の蔵がこの米を使うことはありませんでした。

農家としても他の銘柄を栽培したほうがよっぽど効率がよかったと思いますが、「剣菱」が契約栽培してくれていたおかげで現在に生き残れた銘柄と言っても過言ではないでしょう。


それが阪神大震災で「剣菱酒造」が被災、そののち、「十四代」の高木酒造が「愛山」を使用した酒を造ったことで他の蔵でも使用されるようになりました。

それからは引き合いが多くなり、生産量は徐々に増えていますが、まだまだ高値で取引されているようです。なので、「愛山」の酒は若干高いイメージです……。

開運の愛山

しかしながら、現在は「愛山」を使用したさまざまな日本酒が愉しめる状況となっていることは喜ばしいことです。

今回、私が選んだのは静岡県は土井酒造場の「開運 純米 愛山」。


土井酒造場はこれまで愛山を純米吟醸で醸していましたが、今回は精米歩合を55%に抑えて、濃醇にして上品な味わいが広がる純米酒となりました。甘みのある愛山の個性を出しつつも開運らしい爽やかさも感じられる一本です。

この他にも、酒好がひいきしている酒蔵で「愛山」が使われています。

当コラムではおなじみの三重県木屋正酒造の「而今 純米吟醸 愛山火入れ」。

こちらもご存じ、広島県宝剣酒造「宝剣 純米吟醸 愛山」。今、もっとも「旬」な酒米「愛山」。


みなさんも試してみてください。

2015年・5月27日

酒好 一男