2015年3月号
日本酒道楽・酒好一男 第20回
「アルガブランカ」の巻

今回は、nagasawamagazineで大フィーチャーしている有賀さんのワイン、「アルガブランカ」を試してみました。
亀戸にある、はせがわ酒店で購入したのは「アルガブランカ・クラレーザ」1720円です。
勝沼醸造では、2012年、2013年のインターナショナルワインチャレンジで「イセハラ」「発酵樽」が銀メダルを連続受賞しており、このクラレーザは「日本で飲もう最高のワイン2012」で銀メダルを受賞したものです。
クラレーザの特徴は、日本固有 のぶどう「甲州」を100%使用し、シュールリー醸造法(ワインと澱をゆっくり接触させる)を用いて、限定で80000本造られています。

シュールリー醸造法は、ロワール河河口地域に古くから伝わる方法で日本では、5ヶ月以上の接触を必要とし、6月30日までに瓶詰めされた物と規定されています。
80000本というとけっこう多いのではないかと思われがちですが、あの高価で有名な「ロマネコンティ」の年間6000~7000本というのは別格で、コミック『神の雫』でも有名な「シャトー・ラフィット・ロートシルト」「シャトー・ラトゥール」「シャトー・マルゴー」といった1級銘柄も年間15万本以上生産しています。

ではさっそく味わってみます。
香りは欧米のものに比べ弱めで、これなら繊細な香りを楽しむ日本料理の邪魔をしませんね。12.5度と軽く、赤ワインでいうとライトボディな感じのスッキリ辛口です。
口に含むと酸を感じますが、甘ったるいところがないので、飲んでしまえば口のなかはサッパリとします。このあたりも脂の乗ったマグロなどを食べた後にピッタリではないでしょうか。
これまで、日本の白ワインはドイツ風(ドイツワインが悪いと言っているのではありません)の甘くてへんな風味のものが多く、私は敬遠気味でしたが、こういう“主張をせず”“和を貴び”、料理を引き立てながら、自分もさりげなくアピールできる「日本」を表すような味のワインが登場していたとは勉強不足でした。
まさに日本食をひっさげて世界に挑戦している「NOBU」の和テイストの料理にふさわしいワインだと思います。
編集長
酒好一男「アルガブランカ・クラレーゼ」大分お気に召した様子です。
勝沼醸造で有賀さんとの再会は楽しみです、春には訪ねていきます。