NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

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2014年11月号

日本酒道楽・酒好一男 第15回

「亀の尾」の酒

こんにちは酒好一男です。

店頭では「しぼりたて」新酒が並んでいる今日この頃、新酒については2013年12月号をご覧いただくことにして、今回は「亀の尾」の酒といきましょう。

 漫画『夏子の酒』でおなじみ(漫画では「龍錦」という名前)の幻の米「亀の尾」。なぜ幻かというと、生長すると1.5メートルもの高さになるため、風雨に弱いことから栽培されなくなってしまったということからです。

もともと「亀の尾」は酒用の米というわけではなく、食べる米として味がよかったため、栽培しやすいように改良され、今ではコシヒカリやササニシキにその遺伝子を伝え、さらに酒米として五百万石などにもその遺伝子が伝わっていることで、亀の尾は自然と栽培されなくなったのでしょう。

それにしても、山形県の篤農家である阿部亀治さんが育てた「亀の尾」は食べても飲んでもOKというすばらしいお米ですね。

上亀元(じょうきげん)と、上喜元(じょうきげん)


それを1983年、新潟県久須美酒造の久須美さんがわずかな種籾から復活させて『夏子の酒』のモデルとなったわけですが、酒造好適米の最高峰「山田錦」が主に西日本で栽培されているため、東北方面でのブランド米となりうる「亀の尾」を使った日本酒が東北の酒蔵で次々と出されているのは面白い傾向です。
まずは先月号でもご紹介した山形県の「上喜元」ですが、亀の尾を使ったものには音読みが喜と同じということで「上亀元」としています。漢字が違うのはこの製品だけなので、特別感がありますね。それもそのはず、この酒に使っている亀の尾は酒田酒造の田んぼで栽培されている『亀の尾』を使用しているのです。

酒田酒造「上亀元」純米吟醸 亀の尾 無濾過生酒は、開けたては少し酸を感じ、だんだんと旨みを感じていく、とてもおいしい一本です。

山本

そして次は、このブログでも何度かご紹介している「山本」です。もともとは「白瀑」の銘柄で醸されている会社ですが、社長で杜氏の山本さん肝いりで出されるブランドが「山本」で、今年初めてという山形県産「亀の尾」100%使用の一本は、その気合いぶりを感じる紫に金箔のラベル。


「山本」レーベルらしい、すっきりとした旨みが盃を進ませます。

山本合名会社「山本」純米吟醸 亀の尾 紫ラベル

ストーリーのある酒米で選ぶ一本も、男のこだわり心をくすぐりますね。

今月号は特別編もありますので、ぜひそちらもお読みください。