NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

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2015年4月号

日本酒道楽・32 酒好一男

新政

今回は秋田県を代表する酒蔵、新政酒造をご紹介します。現在の日本酒ブームを体現していると言っても過言ではない、1852年創業、164年目の老舗です。

何を体現しているかというと、さまざまな酒米を使って多品種少量生産を行っており、さらに一般向けには、多くの人に飲んでもらいたいと四合瓶を使用することでそれを可能にし、収益面でも効率化を図っているというところです。ただ、人気がありすぎて、なかなか買うことはできません。

秋田県と言えば「NEXT5」という酒蔵間の協力体制が出来上がっていますが、その中心となっているのが新政の6号酵母(別名・新政酵母)です。

昭和10年に日本醸造協会より「きょうかい六号酵母」として発売され、現在市販されている酵母の中では最古のものです。新政酒造ではすべての商品でこの酵母が使われており、さわやかな甘みを持つ味わいが男性だけでなく多くの女性ファンをうならせています。

6号酵母がそのまま商品名に「No.6 X-type」

昨年末に発売されたNo.6 Xmas-type 純米大吟醸 生酒。箱入りでワインのよう

社長の佐藤祐輔氏は1974年生まれの41歳。東京大学を卒業し、ライター・編集者をしていたとのことで、多くの若手蔵元と同様に「磯自慢」「醸し人九平次」などの銘酒に感銘を受けて実家を継ぐことを決意しました。

 研究オタク的な性格なのか、数多くの実験的な商品を次々と発売し、ラベルも日本酒らしくないものが採用されています。

 使用米ごとにラピス、ヴィリジアン、エクリュなどの日本酒らしくないネーミングをつけたり、初代佐藤卯兵衛の名にちなんだ屋号「やまう」をもじった「ヤマユ」、≪酒をもって酒を仕込む≫という平安時代にその源流を持つ最も古い清酒醸造法による貴醸酒の「陽乃鳥」、主に焼酎に使われる白麹で仕込んだ『亜麻猫』など、これでもかといった具合に新製品が登場しています。

左から「瑠璃(ラピス・美山錦)」「亜麻猫スパーク」「ヤマユ」

そして、なかには取扱店限定の新政もあります。

左は酒好がいつも買いに行っている「矢島酒店限定 翡翠(ジェイド)」、右は居酒屋の「酛(もと)限定 天鵞絨(ヴィリジアン)+生成(エクリュ)」両方とも米は美郷錦+酒こまち。

もちろん、地元用には従来からの「新政」が販売されています。

これまでのお客さんはもちろん、新しいお客さんの期待も裏切らない「新政」に、今後も期待しています。

2016年 2月

酒好 一男