NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

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日本酒道楽 48

信州紀行          酒好 一男

こんにちは、酒好一男です。

 

今回は久しぶりに紀行文を寄せたいと思います。新幹線に乗れば1時間半で着いてしまう長野です。1泊2日で、初日と2日目のミッションを決めての旅です。

初日は朝7時30分上野発の「あさま603号」に乗って、長野駅は9時14分着です。北陸新幹線が開通して以来、長野新幹線という名称は使わなくなっていることを初めて知りました。

「あさま」は長野までしか行きませんので、長野新幹線のほうがわかりやすいと思うのは私だけでしょうか。

さて、長野に着いたら初日のミッションその1

「小布施ワイナリー」です。

この連載でも何度か紹介していますが、ワインをぶどうから自家生産している蔵で、ワインを作れないときに日本酒を造る蔵です(興味のある方は第36回をご参照ください)。

長野から小布施に行くには私鉄の長野電鉄に乗ります。終点は湯田中駅で、そこからバスに乗ると猿が浸かっている地獄谷温泉に行くことができます。

私は猿に興味はないので、ちょうど半分くらいのところにある小布施駅下車です。

 

写真・長野電鉄長野駅。地下ホームになっていて、電車は東急線で使用されていた8500系。そのほかに特急ゆけむり号として昔のロマンスカーが走っていたりします。

長野から善光寺下、須坂などを通り、30分ほどで小布施着。

平日だったので閑散としていましたが熱心に写真を撮る撮り鉄も何人かいました。

 

 写真・駅にはかつて使用されていた長野電鉄オリジナル車両2000系。

 

「ながでん電車のひろば」と名付けられており、すぐそばまで行けます。

ホームから見える北信五岳(飯綱山、戸隠山、黒姫山、斑尾山、妙高山)はこんな感じ。

名産の栗を使用したお菓子の看板も。

 

というわけで、小さな町と言っても歩くのは大変なので、レンタサイクルを借りて時間の許す限り観光です。

ここは葛飾北斎が晩年に作品を残したところで、北斎館というのがあります。

また、ちょっと奥にある岩松院には北斎晩年の代表作、八方睨みの「大鳳凰図」があります。

 

 

 

 

 

 

「大鳳凰図」(岩松院HPより)

 

 

 

その他にも、小林一茶の有名な句「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」の元になった池があったり、悲運の将、福島正則の霊廟もあったりして盛り沢山なお寺です。

そこから一路、小布施ワイナリーに向かいます。

岩松院からは小布施市の端から端という感じで、20分ほど走るとありました。東京ではなかなか買うことのできない小布施ワインが。

 

写真・小布施ワイナリー入口。畑の中を抜けて住宅が立ち並ぶ中にしゃれた建物があります。

小布施ワイナリーは「ドメイヌ・ソガ」とも言い(こっちが本名かも)、醸造所の隣に製品が試飲できたり買えたりするショップがあります。

ワイン蔵をリノベーションしたショップにそろそろと入っていくと、ひんやりとした薄暗い空間で、きちんとした品質管理がされていることを実感しました。

数多くのワインが陳列されており、いくつかの種類は有料で試飲ができます。

日本種だけでない自社農場産のぶどうを100%使用した、質の高いワインです。ネットで調べると異常な高値で取引されており、それだけ人気なのですが、高い志を持った生産者の気持ちを逆なでするようなことはやめてもらいたいですね。

私はもちろん数種類の試飲を経て、2本購入しました。

写真左・オーディネール2013 メルロ カベルネソーヴィニヨン

写真右・スパークリングワイン[R]

この2本を選んだのは、値段が手ごろだった(笑)ことと、試飲したカベルネが少し酸味が強かったのでメルロとブレンドされているほうがより良いのではないかと思ったことと、スパークリングは試飲できませんでしたが、購入する機会がほとんどないのではないかと思ったからです。

 

購入して満足した私は、午後のミッションに向かいましたが、これはまたもう一本の原稿でお伝えします。ホテルに戻った私は早速、カベルネメルロを開け、予想通りの味に大満足して眠りについたのでした。

 

2日目は雨の松本へ

 今回の旅の2日目のミッションは松本城と桜、今年の大人の休日倶楽部のポスターで吉永小百合さんが写っている「弘法山古墳」。

そして千曲市の「あんずの里」です。

しかし、せっかく長野に来たので善光寺に行っておかないといけません。

善光寺では毎朝、「お朝事(おあさじ)」と呼ばれる法要が行われています。

本日は朝6時10分からということでしたので、ホテルを5時半に出発しました。

 

写真・早朝の善光寺。閑散としていますが、この後、宿坊に泊まっていた方たちが続々と参拝にやってきました。

 

 

 「お朝事」にやってくる偉いお坊さんに「お数珠頂戴」をいただきます。

お坊さんの通り道にひざまずいて手を合わせていると数珠で頭をなでてもらうというものです。

ひととおりすんだところでホテルに戻って朝食を取り、出発準備します。

 

9時に長野駅でレンタカーを借り、一路松本に向かいます。

すると、途中から黒い雲が、まったく予想していなかった雨が降ってきました。

昨日は快晴だったし、長野駅は晴れていたのにです。

「お数珠頂戴」の効果はありませんでしたね・・・。

1時間半ほどかけて松本城に到着。

けっこう強い雨の中の写真なので微妙ですが、こんな具合です。

写真・暗雲ただよう松本城。右の桜は加藤清正由来の「駒つなぎの桜」

 

それでも大変な観光客がいて、1時間ほどかかって天守閣に登り、雨の止まぬ中、弘法山古墳に向かいました。

弘法山古墳では雨も止み、曇り空ではありましたが、なんとか写真が撮れました。この古墳は意外と古く3~4世紀のもので、埋葬者は誰かわからないようですが、「前方後方墳」という前も後ろも四角い形をしています。

昭和50年ごろ、その周りに桜を植えたことで現在のふしぎなを見せてくれるようになりました。

 

                      写真・頂上部分には花がなく、周囲に桜が咲いている。遠くには街並みが広がる。

まだ満開には早く、あと一週間後だったら最高でしたね。

天候に恵まれなかった松本市を後にした私は、こちらは満開という情報だった千曲市の「あんずの里」に向かいました。

高速をまた長野方面に戻る途中で昼食をとったのが「姥捨(おばすて)」SA。

夜景100選に選ばれているらしく、眼下に広がる景色すべてが川中島の戦いの戦場ということです。

写真・姨捨SAから見た川中島の古戦場

満開のあんずの花

SAのレストランで満腹になった後、覗いてきた青空に期待を高めつつ千曲市に向かいました。

かなり奥まで行くと突然観光地チックな駐車場が出現し、農家の人と思われる案内人に誘われて車を停め、散策に向かいます。

すると、一面に咲くあんずの花。

一昨年の4月に「桃の花」を見ようと向かった勝沼(連載第35回を参照ください)では見られなかった光景が、快晴となった青空の下で広がっています。

写真・山裾に広がるあんずの木、あんずは枝の周りにまとわりつくように咲くのが面白いですね。

空の青、山の緑、あんずのピンクがかった白の鮮やかなコントラストに満足した私は、長野駅に戻り、締めの日本酒を飲んで帰路につきました。

写真・川中島にごり酒と長野市の酒、若孫

 

 

意外と行くことがなかった長野でしたが、やはり美味しい旅になりました。

大満足の酒好一男でした。

今月はもう一本、最後に登場した川中島の酒をご紹介します。こちらもぜひお読みください。

 

景色よし、酒うまし、一男。