記念稿・日本酒道楽 50回
ココファームのワイン 酒好 一男

こんにちは、酒好一男です。
今回は記念すべき連載第50回です。
日本酒の連載なのにワインになってしまいました。なぜかといえば、前回の川中島幻舞に原因があります。酒蔵見学に行った折、杜氏の千野麻里子さんから5月某日に池袋東口にある反対の名前の某百貨店で酒蔵が集まる催事があり、そこに1日だけ行くと教えてもらっていたのです。
当然のことながら、お礼を兼ねて当該日に某百貨店に行ったわけですが、そこには幻舞はもちろんのこと、七賢、栄光富士など名だたる蔵が集まっていました。しかし、そこは人気者の麻里子さんなので、一番人気となっていました。
その中で、ワインの蔵がひとつ目立っていました。それがココ・ファームです。
ココ・ファームは、1950年代に栃木県足利市の特殊学級の中学生たちと担任の川田昇先生によって開墾されたぶどう畑を礎にしています。川田先生が購入できた土地はとても厳しい山の急斜面にありました。しかし日当たりはよく、水はけもよいためぶどう作りに向いていました。また重機が入らないので、障がいを持つ子供たちの人力によって雑草の駆除などを含めた畑の手入れがなされるという効果もありました。
その後、1969年に指定障がい者支援施設こころみ学園がスタートし、ぶどうを育てていくなか、ワイン造りをはじめようと考え、さまざまな苦労ののち、1984年、知的障がいを持った人たちや、その父兄等を中心に、出来たぶどうからワインを作るという会社を設立しました。
それが有限会社ココ・ファームです。
畑では、勝沼ワインでも紹介したマスカット・ベーリーA、リースリング・リオン、小公子など日本の銘柄や、カベルネ・ソーヴィニョン、プティ・マンサン、ノートン、タナ、ヴィニョールなど、世界的な葡萄品種を栽培しています。
今回の催事では、いくつか試飲ができました。その中で私が選んだのは
2014年「風のルージュ」。ツヴァイゲルトレーベ、メルロー。
1970年代、ツヴァイゲルトレーベの苗がウイーン郊外の修道院から北海道にもたらされ、今では北海道を代表する赤ワインとなりつつあります(HPより)
日本ワインらしくないボディのある味わいがいいですね。また「風のルージュ」という名前もロマンチックです。他にも「第一楽章」「陽はまた昇る」「農民ロッソ」など、白は「風のエチュード」「山のシャルドネ」「農民ドライ」など、凝った名前がついたワインもあります。
このファームは年一回、はとバスで新酒を楽しめるツアーもありますので、興味を持たれた方は行ってみてはいかがでしょうか?
それでは酒好一男でした。
「酒好 一男」・50稿を迎えました。
某大手出版社の幹部として現在も現役で頑張っております。
海外取材に何度もご一緒してきました、多くのファッション雑誌編集長として活躍されてきました。
いいやつです。
酒好の「酒」は友人というより家族です。
“酒を愛し”、“酒におぼれず”、流されているようです。
「酒好 一男」50稿 おめでとうございます、多くのファンに囲まれております。
ますます「酒」の面白さ、深さを、極めてください。
51回・楽しみです。
“有難うございました”
Nagasawamagazine・編集長