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日本酒道楽 59

あいやま(愛山)三昧        酒好 一男

酒好一男・59

 

 

あいやま(愛山)三昧

こんにちは、酒好一男です。

 

今回は、連載第23回「開運の愛山」でご紹介した酒米「愛山」で醸した日本酒です。

23回は2015年4月号に掲載されているのですが、愛山の人気は衰えることなく、いまだに高値で取引されているようです。

それもそのはずで、ちょっとサボって前回の愛山の説明を繰り返しますと……。

 

愛山の歴史

 

1941年、兵庫県立明石農業改良実験所で「愛船」と「山雄」という酒米を交配してつくられた「愛山」。

戦前からと意外に歴史がありますが、栽培が難しいといわれる山田錦と比べても粒が大きく、背が高いため、より栽培が難しい銘柄なために、一時農業実験所でも試験が中止されるということもあったほどです。その後、兵庫県の一部の農家と契約した「剣菱酒造」がひっそりと栽培を継続、当然ですが独占的に愛山を使用した日本酒を醸してきた関係で、他の蔵がこの米を使うことはありませんでした。

農家としても他の銘柄を栽培したほうがよっぽど効率がよかったと思いますが、「剣菱」が契約栽培してくれていたおかげで現在に生き残れた銘柄と言っても過言ではないでしょう。

それが阪神大震災で「剣菱酒造」が被災、そののち、「十四代」の高木酒造が「愛山」を使用した酒を造ったことで他の蔵でも使用されるようになりました。

ということで、高木酒造さまが選んだ酒蔵に提供されているわけですが、2015年以降、多数の蔵元で愛山を使用した日本酒が醸されています。

そこで、第23回掲載後に私がいただいた愛山の日本酒を北からご紹介していきます。

裏ラベルがないものがありますので、ご了解ください。

また、購入はしていませんので、飲みたいときには馴染みの飲食店にお問い合わせください。

  

北から愛山

 

まもなく始まる冬季オリンピックの入場の感じでいきましょう!

・まずは秋田県代表、刈穂、一白水成です。

『秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ』の和歌から名付けられた刈穂と若手社長の会、NEXT5にも参加している一白水成。

さりげなく愛山を主張する刈穂と前面に押し出している一白水成、どちらも美味しいですね。

・山形県代表、栄光冨士

 

鮮やかなピンクで、愛を表現している栄光冨士。

純米大吟醸です。

・福島県代表、飛露喜、写楽

 

福島県の日本酒を引っ張る廣木酒造の飛露喜、一番弟子ともいえる写楽。

どちらも店頭に並べば即売切れです。

・新潟県代表、高千代、謙信

 

日本酒といえば新潟という人も多いはず。

高千代は英語表記の上に、愛山&雄町ブレンドというぜいたくさ。

謙信は当然、上杉謙信からもらったネーミング。

旨いはずです。

・長野県代表、幻舞

 

女性杜氏の麻里子さんが醸す川中島幻舞。

愛山のiをデザインしたおしゃれなラベル。

もちろん酒好イチオシの味です。

・栃木県代表、作、東力士、辻善兵衛、忠愛

 

ガンダムでより有名になった日本酒、作(ざく)槐山一滴水、愛山を使った気合いの逸品です。

同じく東力士も極一滴雫酒と名付けました。矢板市で大正2年に創業した富川酒造店の忠愛。初めて飲みましたが愛山を仕込むだけあって、しっかりとした味わいです。

辻善兵衛はいろいろな日本酒居酒屋でもおなじみのブランド。

間違いないですね。

・岐阜県代表、三千櫻

 

こちらは愛山を使ったにごりです。愛山ならではの甘味が生きている逸品です。

・奈良県代表、風の森

 

こちらも酒好イチオシの風の森。なんと愛山を80%精米で醸しています、なのにさすがのシュワシュワ感。やられました。

・三重県代表、而今

 

まちがいない! の代表です。

なんでこんなに澄んだ味わいになるのだろうといつも思います。

まちがいない!!

・佐賀県代表、天吹

 

九州では最も日本酒が飲まれている佐賀県。

愛の字が美しいです。

味も美しいです。

ということで、約2年間、お店で飲んだ愛山の全種です。

こうやってまとめてみると、北から南まで、けっこう広範囲にわたっていますね。

個人的にはなかなか面白い試みでした。

 

それではまた、酒好一男でした。