NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

(Aruga Yuji)

日本のワイン界の風雲児となれるか?

勝沼醸造

まさに、いま、日本のワインを揺り起す男がここにいる、山梨、勝沼醸造・有賀雄二だ。

日本のワイン文化はまだ、日本に定着していないという。

ヨーロッパ、アメリカなどで言われているワインの定義とは違う日本の食べ物に沿ったワインのことだ。ワインはもう世界のどこでも食卓を飾る飲み物だ。

勿論、日本の食卓にも当たり前のように置かれている、日本酒より、濃く好まれているといっても過言ではない、それも、殆どが外国からのワインで占められていることは誰しも疑わない。

しかし、人に葡萄という果実の有名どころを聞くと、そろって、山梨と答える。

ワインは何からできているとかと問うと、“葡萄”と答える、が、ワインはフランス、イタリア、などと答える人が多い。

日本の葡萄文化も1000年を超えてる。

ここに、日本のワイン造りで勝負をしている一人の男、ワイン革命を起こした有賀雄二だ。

葡萄の産地で有名な山梨、勝沼醸造の三代目。

有賀が自分のコラムでこう語っている。

日本の風土に向かい、世界に通ずるワインを造るという夢に向かって、限りない挑戦を続け、皆様に感動していただけるようなワインを醸して行きたい。

勝沼醸造は1937年創業、1990年ごろから高品質なワイン造りに主力を集中してきた。

それがいま、大きな評価を得ている。

Nagasawamagazineは、彼が語るワイに対する姿勢に注目した。 取材の申し込みをすると快く応じてくれた。

122日に、山梨県勝沼市にある「勝沼醸造」にお伺いをした。

勝沼町は、甲府盆地においては東部に位置し、内陸で盆地特有の気候に恵まれた日照時間が長い土地だ。

勝沼町東部から南部にかけて天目・笹子・御坂といった山脈が連なり、西北部には日川をはじめとした複数の河川によって形成された扇状地が複合して存在している。

この扇状地が、勝沼に複雑なテロワールをもたらしていると考えられる、

土壌の状態や昼と夜の気温の温度差も大きく、ブドウの産地に適している。

塩山駅に車で迎えてくれた有賀雄二社長、朴訥で飾りのない静かなワインマンだ。

周りにワイン畑が広がる道を走ると、明治時代に引き込まれたように古い家屋が連なる一角がある。その中でも一段と古い家屋が「勝沼醸造」だ。

古いトビラを這入ると、土間にテーブル、その先には重厚な日本間が続く。

大きなテーブルを挟んで取材が始まった。

贅沢をいえば、料理を作る調理人がワインを選んでほしいですね

「日本のワイン文化は、育っていませんね、僕は日本の風土が作り出す食材に合った日本ならではのワインを造りだしたいと思っているんです」優しい瞳が鋭く見える。

レストラン、和食店、など、ソムリアが食事の種類に合わせて、ワインを選んでくれる、欧米ワイン文化が今の日本では当たり前だ。

しかし、日本の風土に合った食材を使い、それを調理して出す料理には、日本に合ったワインが一番合う、それを作り出したいという有賀の情熱を熱く感じる。

「贅沢をいえば、料理を作る調理人がワインを選んでほしいですね」

笑いながら、真剣に言葉を選ぶ。


「日本の食べ物に合ったワインを造りたい、そのためにブドウ栽培にこだわり、常に研究をしながら、和食と相性のいい甲州ワイン、というものにグローバリズムを見出したい」

「甲州ワインは世界のコンテストに出しても見劣りしないもの、いまある甲州ワインが完成形だとは思っていないけど」有賀の言葉には自信が漲っている。

日本のワインの歴史は一世紀半が過ぎようとしている。

世代変わるごとに、世界のワイン文化とは違った日本ワイン文化が構築出来たら、僕は嬉しいと顔に書いてある。


そんな勝沼醸造に転機が訪れたのは、2003年、2004年に連続で国際ワインコンテストであるフランス醸造技術者協会主催の「ヴィナリーインターナショナル」にて、自社の甲州ワインが銀賞を受賞した。その後、イギリスやスロベニアのワインコンクールでも受賞を重ね、「品質に対する大きな自信となった」と有賀は自社の白ワインを褒める。


日経ビジネス・Digital・「特集・次代を創る100人」で、勝沼醸造・有賀雄二を取り上げている。


以下・日経ビジネス・Digital・誌上から一部を紹介しよう。

~ 以下、日経ビジネス・Digital・「特集・次代を創る100人」より抜粋 ~

日本のテノワールを世界に伝えたい

『輝き続けるブランドの本質』第3回の今回は、そのような素質を持ち既に世界に向けて輝き始めている一軒のワイナリーをご紹介したい。山梨県甲州市勝沼町にある勝沼醸造とそのフラッグシップブランドであるアルガブランカだ。 勝沼醸造は1937年の創業以来、日本が誇る葡萄の一大産地である勝沼に根ざし、葡萄の栽培からワイン醸造までを一貫して手掛けるワイナリーである。

世界をマーケットに最高品質のワインを

勝沼醸造がワイナリーとして大きく飛躍したのは、現在代表取締役を努める有賀雄二氏が継いでからである。有賀は当初より志高く、世界をマーケットに日本の風土を生かした最高品質のワインを作りたいと考えていた。

 そのために、1990年頃より、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネといった欧州系品種を自社畑に植え、国際標準のワイン作りに取り組み始めた。一方で、日本古来の葡萄品種である甲州を用いたワイン作りにも情熱を捧げ、逆浸透膜濃縮装置や氷結濃縮法の導入など、他社に先駆けユニークな新技術を導入し、イノベーティブな製法で高品質な甲州ワイン作りに取り組んできた。

そんな勝沼醸造に転機が訪れたのは、2003年、2004年に連続で国際ワインコンテストであるフランス醸造技術者協会主催の「ヴィナリーインターナショナル」にて、自社の甲州ワインが銀賞を受賞したことにある。その後、イギリスやスロベニアのワインコンクールでも受賞を重ね、「品質に対する大きな自信となった」と有賀は自社の白ワインに対す自信を深めていく。

そして、この中で有賀はブランドの方向性を決める上で、大きな決断をする。それは、甲州を使った白ワイン作りに特化し、甲州で世界で勝負するというものだ。ワイン業界にて、市場でポピュラーな赤ワインではなく白ワインに絞り、かつマイナーな国産品種で勝負することは、覚悟の要る決断である。第1に、日本で生産する葡萄の中では、甲州が世界のマーケットで受け入れられるポテンシャルが高いと考えていたことにある。カベルネソーヴィニヨンやシャルドネのような国際品種でワインを造ることも方向性の一つであるが、世界中で作られている中で、あえて生産コストが高くつく日本でそれらを作り、世界のマーケットで受け入れられるコストパフォーマンスのものを作るのは容易ではない。そして、この中で有賀はブランドの方向性を決める上で、大きな決断をする。それは、甲州を使った白ワイン作りに特化し、甲州で世界で勝負するというものだ。ワイン業界にて、市場でポピュラーな赤ワインではなく白ワインに絞り、かつマイナーな国産品種で勝負することは覚悟の要る決断である。

~ 以下略 ~

有賀雄二を語ることは、即、これからの日本ワイン文化を検証することになる。

和食とワイン、有賀が語っている自社「勝沼醸造」白ワイン・“アリガブランカ”・に対する自信と愛情の物語を第二回のテーマにしたい。

第二弾

“有賀雄二と世界のNOBU”

企画・取材・写真・Nagasawamagazine・編集部

2014年・12月2日・山梨県勝沼市・勝沼醸造にて