NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

作詞家  安井 かずみ さん  編集部

女性のライフスタイルを変えた、ZUZU

平成元年十月スタートした群馬県・上毛新聞社「トヨタ・カルチャーフォーラム」・は、平成八年十一月まで、計七十三回(スーパーフォーラムを加え)開催された。

八十人近い文化人を含めた、時の人たちの講演は、上毛新聞社が社運を賭けた大きなイベントに成長した。

参加していただいた講演者たちの講演は多くの人たちを魅了した。

 

2月号に引き続いて、作詞家・安井 かずみさんの講演を、3月号で掲載します。平成4年10月17日、「群馬県高崎市・TOYOTA  a Pal 」にての講演したものです。

 

残念ながら、この講演の二年後平成六年三月七日に“安井 かずみ”さんは、お亡くなりになりました。残念と悲しみが心に残ります。

多分、この講演も病を押しての講演だと推測されます、嬉しい優しさです。

“スカーレット・オハラのように生きてみませんか”

 

「風と共に去りぬ」と歩む女たち。

私は、少女のころ、フィリス女子学院の図書館で「風と共に去りぬ」の原作を読みました。その時はスカーレット・オハラを美人で、傲慢で、わがままな女の人思い、あまり好きではなかったのです。意志が強く、決断力があり、生き生きとしている彼女の行き方を、「美人だから思う通りに出来るんだは」お思っていました。

でも私も、二十年、三十年と人生を重ねて、泣き、笑い、喜び、傷付きの経験をしたうえで、もう一度彼女とじっくり付き合ってみました。その結果、スカーレットの生き方は、現在を生きる私たちも、参考に出来る要素を含んでいると感じました。

 

スカーレットのように鮮やかに

私がスカーレットの生き方で、一番共感するのは、南北戦争の時代の男社会の中で傷つきながらも、鮮やかに生きているところです。

鮮やかに生きるには、自分をもって、きっぱりと生きることですね。自分自身の意見を持たない人は、限りなくグレーです。

自分で考えて判断し、勇気をもって巡り来たことを克服する。自分で決めたことを、きちんと、やり遂げることに、スカーレットが持つ、鮮やかさがあるのです。私も自分の力で出来るのかな、という厳しい仕事を頼まれたことがあります。いったん引き受けた仕事は、徹夜してでもやり遂げます。

 

情熱と強さと

不思議なことですが、いい運命を呼び込むには、熱気のある人です。

周囲の人を見ても分かりますね。やる気のある人には、やる気のある人生が巡ってきます。やる気のあるスカーレットは強い女でした。

頑固という意味ではなく、しなやかに美しく強い女です。彼女の強さは、失敗を恐れないところです。

今の時代は、体験しないうちに情報で体験したような気になってしまいます。

情報だけで結局、何もしなかった、ということがありませんか。

 

欲望のない人生なんて

スカーレットぐらい図ずしく、沢山の欲望を持っている人はいません。

初恋の相手でもある、ハンサムなアシュレイに「人生に望むものは?」と尋ねられて「決まっているじゃない、琢さんのお金とぜいたくな暮らしよ」と答えて、振られてしまいます(笑)

私も20歳までは、スカーレットの言葉に「馬鹿ね、許せない」と思っていました(笑)でもよく考えると、このスカーレットの答えは、私の心の中にも潜んでいることに気が付きました。スカーレットは本当のことを言ったのです。

やっぱりお金も必要です(笑)。

日本人はお金のことを隠すのが美徳だという考え方がありますね、欲望をそのまま表現するのは、はしたなくて下品だと考えられていました。

誰しも欲望を持っています、この欲望を実現するためにシコシコと努力するからこそ、向上心が働くのだと思います。たなぼたを待っていても何も落ちてきません。

 

恋と愛、恋愛と結婚

スカーレット・オハラほど、恋が下手、愛が下手、結婚が下手な人はいませんね。恋とは、カッカッと一方的に燃えていくもの、愛とは両方で育てていくもの、そして、恋愛はその両方の要素が重なり合ったものですね。この重なり合ったものを長続きさせるものが結婚です。

「風と共に去りぬ」に二人の男性が出てきます。

アッシュレイは、ロマンチックで物静か、優雅でおっとりして芸術的なことに造詣が深い、そのかわり、お金に縁がない、ここがネックです(笑)。

かたや、レッド・バトラーは、ワイルドでいい男、チョット強引で行動的、金儲けがうまい。

なんで二人を足して、二で割ったおとこがいないのか(笑)と思いますね。

対極にある男性のどちらかを選ぶか、十六歳のときはアッシュレイをいいと思いましたが人生を経てくるとだんだんレッド・バトラーがよくなてくる(笑)

ただスカーレットは

自分が愛することによって、相手が幸せになったかどうか、考えることをしませんでした。

 

ベストを尽くして感性のレベルアップを

私も「能力が足りないから、ベストを尽くさなければ」と、思ってやってきました。集中力をもってまじめに取り組む、これが目標の達成に欠かせません。

いろんなことを手掛けて、どれも中途半端というにでは、達成感がありませんね、寝食を忘れても物事を達成する情熱を持つことです。

ベストを尽くし、完全燃焼すると結果が爽やかです。そして成功の確率が高い。自己充実感が生まれ、目や、顔が輝きます。

ベストを尽くす度に、体力も感性も能力もレベルアップします。ヤッターという気持ちは、さわやかでいい顔になる。

疲れないようにほどほどにやった仕事は、不愉快で心残りですね。

 

人生をつくのは自分

スカーレット・オハラはアメリカやフランスでも人気がある女性です。

それは、人生を自分のものにしたからです。自分の人生は誰のものでもない、だれもかわりができないのです。

毅然と生きる人生も漠然としてしまいます。今日することはこれと決め、実行する。日常の小さなことも真剣にやる。これが自分の人生を創るのです。

人生には喜怒哀楽の波があります。この波を全身で越えてきた積み重ねが、その人の人生になります。

スカーレット・オハラに負けず、鮮やかで、素晴らしい人生を創っていこうではありませんか。

 

安井 かずみ

 

編集長・記

なんて、素晴らしい講演だったのでしょう。

いま、講演の内容を読んで、心にしみる安井さんの熱い講演でした。

この日の講演にいらした人たちは、幸せだったと思います。

講演に来ていらした人に、感想が聞きたかった。

安井 かずみさんは、この講演後、平成6年(1994年)・3月7日、まだ55歳の若さで逝った。

 

優しく思いやりが、たくさん詰まっていた、安井 かずみさん。

僕が、安井さんにお目にかかったのは、数回でした。

加藤 和彦さんとまだ結婚はさせれていない時に、音羽の川口マンションにお邪魔したことがあります。

加藤さんとは仕事で何回かお会いして、あるとき、食事を食べに来ないかと、お誘いを受けました。

安井さんのアパートメントにお邪魔した時は、安井さんの妹さん順子さんもご一緒だったような気がします。

その後何度か、安井さんのお宅にはお邪魔してます。

以前から、安井さんの人間として仕事を捉える姿勢、凄く心に打たれたことは確かでした。

「トヨタ・カルチャーフォーラム」が始まり、安井かずみさんにぜひ、講演をお願いしたいと感じて居りました。

そして、直接、安井さんにお電話をしたところ、快く、返事をいただき、講演は、素敵なお話をしていただきました。

その時、往復の新幹線の車内では、限りなく貴重なお話を伺い楽しい時間を過ごせたことは、僕にとって最高に幸せと貴重な時間だったと感謝で一杯です。

 

いま、講演の原稿を読んでみて、「女性がどう生きていくべきか、自分の考え方、生き方、女としての自覚、優しさ」素敵なエッセイを読んでいるような、講演内容です。素敵な雰囲気を感じます。

いま、「nagasawamagazine」誌上で講演のすべてを紹介できる喜びを深く感謝しております。

講演内でお話された「思いやりの大切さ」「心の優しさ」に接していただければ幸甚です。

 

企画・編集・nagasawamagazine・編集部・永澤洋二 2018・2・19