NAGASAWA Magazine|ながさわマガジン

外資系航空会社 ヘレラ 純代 1

もう一度、幸せになるまで絶対に死なない

すでに結婚もしている。

中学生の娘もいる。

ハタから見たら、結婚して持ち家もあり、キャリアもあり、理想的な人生のように思えただろう。

 仕事、人生は順調かのようだった。しかし、人間は万全ではない。

女性として、面白く、楽しく、今後も女としての幸せの答えが見たい、欲しい。しかし、結婚生活については悩んでいた。

そんなとき、卵巣がんと乳がんの同時発生という過酷な事実がヘレラさんを襲った。

趣味のバレエでかなりのエクササイズはしていたし、お酒もタバコもたしなまない、食事も気をつかっている方だと思っていた。まさに青天の霹靂の出来事。自分に突然襲い掛かってきた事態にどう対応したらいいのか全く分からない不安と混乱。それは、生まれて初めての体験だった。

夫に話したが、口先だけ同情しているようにしか思えなかった。そうだったんだ、この人とは話はできない、いや、一緒に暮らしてはいけない。以前からそう感じ、思っていたことだが、いま、改めて深くこころに刻まれた。

 

結婚とは、いったい何だったのだろうか。

「若い時は誰でも浮かれているから勢いだったり、年齢もそろそろ・・・ということで結婚しがちです。そこで人生最高のパートナーと出会えた人は本当に幸運だと思います。でも、価値観が合わない他人と歩調を合わせて人生を終わるのでは、勿体無いと思ったんです。人生は間違ったなら、それを認めて勇気を出して何度でもリセットすることが出来るのです。」

襲った病は、5年生存率27パーセント。

病院の手配も一人ですべて行った。娘には病名は言うな、と家族が言うのでそうした。でも感の良い娘は分かっていたようで、それはそれでストレスを溜めていたことが後で分かり、やはり何でもトコトン話せば良かった、と思った。幸い、偶然ある人との出会いとご縁があり、娘を出産した時の婦人科医の後輩である素晴らしいドクターと出会えた。とにかく、全て自分で受け止める、何があっても後悔しない選択をすると自分に誓い、手術、放射線治療、抗がん剤治療に専念した。

病は奇跡的に治ったが、夫と今後も一緒に生きる自信は全くなかった。その間いろいろと多くの人に相談もしたが、自分で結論を出していたのだ。

 

もう一度幸せになるまで絶対に死なない。

よく人は言う、“結婚よりも離婚はエネルギーを使うよ。”その言葉が示すように、離婚のためのすべての作業、膨大な書類作りを一人でこなした。離婚が成立し、小さなアパートに1人で引っ越した時、惨めさは一ミリもなく、

本当に清々しい気持ちだった。

今、離婚をしたくても離婚できないでいる多くの女性がいることは確かだ。多くの人が、おそらく人生のやり直しはしんどい、と思っていると思う。でも、ヘレラさんは病気という人生の危機に面した時、自分の人生をもう一度やり直そう、そう決心した。


 仕事、子供、自分、いま、ヘレラさんが選んだ、第二の人生がスタートした。数年後、現在のパートナーとの出会いがあり再婚し、現在がある。

人間、誰しも第二の人生を作り上げていく自由がある。二度の人生、苦しみはある、しかし生きていく楽しさは以前より増した。そう感じている。

仕事も、いま、とても充実している。

 

ヘレラさんは言う。

「女性は総体的に誰かに支えてもらいたいと思う人が多いと思います。でも 現在は自分の足でしっかりと歩いていく人が増えた、そう感じてます」

自分も病気、離婚で多くを学び、それが自分を強くしたと、語った。今後、その学んだことを活かしたり、それが誰かの為になるような人生を歩みたいとも付け加えた。

 

 その第一歩として、最近ブログを立ち上げたそうだ。

その名前も「LIVE LOVE LAUGH & TRAVEL 」。ヘレラさんらしいコンセプトが盛り込まれたブログだ。 (http://lovelaugh4living.com

確かに、女性は強くもなったが、自分自身で生きていくことへの潔さはまだない人が多い。それをリードしていける女性が増えていくことがこれから必要だろう。

ヘレラさんにその役をお願いしたい、苦しんでいる女性たちのためにそう感じた。

企画・取材・nagasawamagazine・編集部

写真・ヘレラ 純代

 次回は「女性が仕事をエンジョイする秘訣」を語ってもらう。