ナット・キング・コール
NAT KING COLE

LPが並んでいる棚を整理した、古いなつかしのLPが埃をかぶっている。
その中にナット・キング・コールのLP版何枚かが目に留まった。

ナット・キング・コール
1940、50、60年代に大活躍したポピュラー・ジャズシンガーだ。
20世紀のスーパースターの一人だといっても過言ではない。
ピアノを弾きながらクラブや、バーで歌っているクラブシンガーの一人だ。
ビリー・ジョエル(Billy Joel)も同じスタイルの一人だ。
20世紀で活躍した、多くのジャズシンガーはクラブやバーから生まれてきている、いわゆる飲み客たちのお相手だ。当時のアメリカには実に多彩なアーティストたちが、アメリカ全土にあふれていた。
そこから、多くの素晴らしい才能が生まれてきている、アメリカ文化エンターテイメントの基礎の時代だった。
すでに超スーパースター級の有名どころの、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、ペリー・コモ、なども大活躍をしていた。
ナット・キング・コールも、すでに、スターの仲間として活躍していた。
1940年代にトリオ(ベース、ギター)を組み、アメリカ中で仕事をしていた時に、「Straighten Up and Fly Right」でヒットを出し、メジャーの地位に上っていく。
だが、本当のスターとしてアメリカ中を沸かせた曲は、1950年代、テレビドラマで大人気「ルート・66」の主題曲でヒットを飛ばし、「モナリザ」「トウー・ヤング」などで、ナット・キング・コールは不滅のシンガーとして認められていく。
そして、チャップリンの代表作「モダンタイム」の挿入歌「スマイル」で世界の歌手としての仲間に入る。
そもそも、この曲はメロディだけが先行していたのだが、ナット・キング・コールが謳うために詩を加えたとも言われている。
マイケル・ジャクソンも言っている「僕の一番好きな曲」だと。
The World of NAT KING COLE

「The World of NAT KING COLE」を聴いた。
「Smile」が僕の部屋に流れている。
彼の美しく、シンプルな歌声がいい、こんなにはっきりした透き通った声を聴いたのは、久しぶりだ。
「Nature Boy」「Too Young」「Mona Lisa」と、馴染みのある曲が部屋に響く。
スタン・ケントン・オーケストラ、ジョウジ・シアリング・クインテット、自分のトリオ以外、多くの有名バンドをバックにレコーディングしている。
そして、ラス・ヴェガスでのホテルライブも楽しい。
更に娘のナタリーとのディオ「Unforgettable」も収録されている。
実にいいバランスのCDを感じる。
偉大な歌手である、これぞエンターティナーと呼びたい。
彼ほど、ポピュラー音楽を分かり易く広めたジャズシンガーはいないと僕は思う。
しかし、残念ながら全盛期の1965年、肺がんで亡くなっている。

現在、お嬢様であるナタリー・コールがあとをついで活躍しているのがうれしい。
アナリーのアルバム「UNFORGETTABLE」は、ナットのヒット曲だ。
ナタリーが父の曲をカバーして謳っている。
このアルバムも傑作だ。
20世紀が生んだエンターティナーは数多くいるが、ナット・キング・コールもその一人として、僕は心に残しておきたい。
2015年・新春1月3日、編集長記